「諸聖人の三つ編み」という意味の、イースト入りのペイストリー。単にシュトリーツェル、地域によってはセーレンブロートなどの名前で呼ばれています。このパンが最初に言及された当初は、編み込みパンではなく、とてもシンプルなものだったようです。1840年頃には、すでに編み込みパンとして定着し、その後も様々な種類の編み方がパン職人達の間で追加されていきました。表面はケシの実やあられ糖で飾られ、地域によっては生地にラム酒やレモン汁が使われます。オーストリアと、ドイツのバイエルン地方では、諸聖人の日にこのパンが教父から子供へこのパンが贈られます。これは、古代の葬儀の際に、女性が編み込んだ髪を切って哀悼の意を示したことに起源を持っているようです。オーストリアのリンツにおいては、このパンが上手に膨らめば、翌年は幸運に恵まれ、そうでなければ翌年は災難が訪れるという迷信もありました。ドイツのドレスデンでは、このパンは「ドレスナー・シュトレン」と一般的に呼ばれています。シュトレンは、ドイツの菓子パンで、アラーハイリゲンシュトリーツェルの編み込みの無いバージョンのような感じになります。ドレスデンでは今でも、アラーハイリゲンシュトリーツェルがクリスマスの名物として焼かれています。ここでは、表面にあられ糖を飾るレシピを紹介しますが、手に入らない場合は粉砂糖で代用します。また、編み込みに関しては、三つ編み、四つ編み、五つ編みなど、編み込む本数は色々あるようです。
🔸材料(1個分)🔸
小麦粉 |
500g |
砂糖 |
100g |
塩 |
小さじ1/2 |
無塩バター(室温にもどしたもの) |
113g |
牛乳(人肌程度に温めたもの)ー |
123g |
小さじ2 1/4 |
|
卵 |
3個 |
バニラエッセンス |
小さじ1 |
レーズン |
80g |
アーモンド(粗く刻んだもの) |
75g |
卵黄 |
1個分 |
牛乳 |
大さじ1 |
あられ糖、または粉砂糖 |
適量 |
🔸作り方🔸
- ボウルに小麦粉、砂糖、塩を入れ、軽く混ぜておく。
- 別のボウルに、人肌程度に温めた牛乳を入れ、そこへドライイーストを振り入れ、よく混ぜる。表面に気泡が見えてくるまで、5分ほど置く。
- 2️⃣のボウルに、1️⃣の粉類、室温に戻したバター、溶きほぐした卵、バニラエッセンスを加える。粉っぽさがなくなるまで、ボウルの中でよく混ぜる。
- 軽く打ち粉(分量外)をした台の上に出し、生地が滑らかになるまで、10〜15分ほどよく捏ねる。
- 生地が滑らかになったら、台の上に生地を伸ばして広げ、レーズンとアーモンドを散らす。生地を丸め直し、レーズンとアーモンドが均一に生地に混ざるよう、1分ほど優しく捏ねる。
- 丸め直して、ボウルに入れたらラップをかける。温かい場所に1〜2時間ほど置き、生地が2倍になるまで発酵させる。
- オーブンを180℃に予熱し、天板にクッキングシートを敷いておく。
- 生地が2倍に膨らんだら、ガス抜きをし、打ち粉をした台の上に置く。編み込みたい本数の分だけ生地を分割し、それぞれを丸め直す。生地にラップ、または固く絞った濡れ布巾をかけて、15分ほど生地を休ませる。
- 分割した生地を細長く伸ばし編み込みする。編み終えたら、用意しておいた天板の上に乗せる。小さな器に、卵黄1個分と牛乳大さじ1杯を混ぜ、それを刷毛で生地の表面に塗る。あられ糖がある場合は、この時点で生地の表面に適量を乗せる。
- 表面がきつね色になるまで、30〜35分ほど焼く。焼き上がりの確認は、生地の裏面を優しく叩いたときに、乾いたような音がすればOK。
- 網の上で10〜15分ほど、焼き上がったパンを冷ます。あられ糖ではなく、粉砂糖を使う場合は、粗熱が取れてから全体に振りかける。